最近ふと思い出して、久しぶりに映画『ピンポン』を観返したんだけど…やっぱすげぇわ、この作品。
何がすごいって、「卓球映画」っていうジャンルで片付けられないくらい、いろんな感情にぶっ刺さってくるんよね。
これ、青春とか、勝敗とか、友情とか、そういうキーワードで紹介されがちだけど、
俺にとってはもっとこう、“人がどう生きるか”みたいな話だった。
ってことで、今回はその「ピンポン」の魅力について、自分の言葉で語ってみる。
長いけど、好きすぎるから是非読んでほしい。
1. 卓球台の上に、人生の全部が乗ってる
正直、最初に観たときは「卓球の映画か〜」くらいのテンションだった。
でもね、試合が進むたびにわかってくる。これは“生き方”の映画だって。
ペコは自由奔放で天才肌。
スマイルはクールで合理主義っぽいけど、実は不器用で優しいやつ。
この対照的な二人が、卓球という枠を超えて、お互いに向き合っていく。
なんかね、誰かのためにやるとか、勝つためにやるとかじゃなくて、「自分はどうしたいのか?」ってことに向き合わされるんよ。
俺自身、部活やバイト、就活とかいろんなことに手出してきたけど、
「好きだからやってる」って気持ち、いつの間にか置いてきてるときあるなって思った。
この映画、そこに気付かせてくれる。
2. 登場人物、全員エグいほど人間臭い
ペコ、スマイル、ドラゴン、チャイナ、アクマ…名前だけでも強いのに、
それぞれの生き様が濃すぎる。てか、全員ちょっとずつ自分に重なる。
例えばアクマ。
中学の頃は天才ペコの後ろにいて、必死に努力して今は強豪校にいるんだけど、心のどこかでずっと焦ってて、悔しくて。
「強くなったって証明したい」っていう、あの感じ。めちゃくちゃ分かる。
チャイナも、ドラゴンも、みんな“勝たなきゃ”ってプレッシャーと戦ってて、
その中で折れそうになりながらも、自分なりの答えを見つけようとしてるんだよね。
なんかもう、卓球っていうより人生ドラマ。試合の一球一球に、それぞれの感情が乗ってるのが伝わってくる。
3. 映像、演出、全部カッコよすぎてしびれる
試合シーン、ほんとにアガる。
2002年の映画とは思えないくらい映像がキレッキレで、球の軌道とか動きとか、CGのセンスも抜群。
中でもペコとドラゴンの試合。
あれはマジで鳥肌モン。音楽と映像がバチッと噛み合って、「うわ、今この瞬間、ペコ輝いてる」ってなる。
あと、演出がうるさくないのも良くて。
感情が爆発する瞬間とか、あえてセリフじゃなくて“間”で見せてくるんよ。
あの静かさが逆にグサッとくる。
4. 「おかえり、ヒーロー…」がすべてを物語ってた
この映画のクライマックスで、一番グッときたのは、
ペコとスマイルが再び卓球台を挟んで向かい合ったあのシーン。
スマイルが静かに言う。「おかえり、ヒーロー…」
もう、たったこの一言に、この二人の全部が詰まってると思った。
ペコは、かつてはスマイルにとってのヒーローだった。
太陽みたいに明るくて、強くて、楽しそうで、どこまでも自由で。
でも途中で心が折れて、卓球から離れて、迷子になって。
スマイルはそんなペコを、ずっと見てた。何も言わずに、待ってた。
そして、ペコが戻ってきたとき――派手な演出も、泣きじゃくるような演技もない。
ただ、あの静かな「おかえり」がすべて。
“勝った”とか“負けた”とか、そんな言葉はもうどうでもいいんだよ。
ペコがペコらしく戻ってきた。スマイルにとっての“ヒーロー”が、また目の前に立ってくれた。
ただそれが、嬉しくて、救いで、感動なんだよ。あの一言で、10年分くらい心が温まる気がした。
5. スーパーカーの音楽が、この世界を完成させてた
『ピンポン』の余韻って、映像やセリフだけじゃない。
あの空気感を決定づけてるのは、間違いなくスーパーカーの音楽だったと思う。
エンディングテーマの「YUMEGIWA LAST BOY」、
あれ流れた瞬間、俺ほんとに泣きそうになった。いや、泣いた。
なんていうか、映画観終わったあとの心のざわざわとか、ちょっと泣き笑いな感じとか、
そういう“言葉にできない感情”を全部音で包んでくれるんだよね。
音の浮遊感、ちょっと儚くて、それでいて確かに前を向いてる感じ――
あと試合中のBGMもめちゃくちゃセンスよくて、
どの曲も卓球のスピード感にフィットしてるのに、妙にエモい。
試合がただのスポーツじゃなくて、“人生そのもの”に感じられるのは、音楽の力がデカいと思う。
こういう「音と映像と物語」が全部溶け合ってる映画って、ほんとに稀。
しかも、それが2002年に出てたってのが驚き。今観てもまったく古くない。
最後にひと言
『ピンポン』って、ただのスポーツ映画じゃない。
自分の弱さとか、好きって気持ちとか、仲間との距離感とか、
全部まるごと包み込んでくれる、そんな優しさと熱さがある映画。
まだ観たことない人は、とにかく一回観てほしい。
観たことある人も、ちょっと疲れてるときとか、自分見失いそうなときにもう一回観てみて。
きっと、自分の“好き”が戻ってくるから。
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