今回は、ホラー好きなら一度は耳にしたことがある「2ちゃんねる発の都市伝説」を原作としたホラー映画をピックアップ。
都市伝説の匿名掲示板に投稿された“ただのスレ”が、なぜ映画になるほど人を惹きつけたのか。その魅力と恐怖を、Prime Videoで観られる3本に絞ってご紹介します。
選んだ作品はこちらの3本
- きさらぎ駅
- リゾートバイト
- ヒッチハイク
どれも“体験談”として語られた不気味さが色濃く反映されており、「リアルと虚構の狭間」にゾクッとさせられる内容です。
ただ怖いだけじゃない、“あとを引く不穏さ”を味わいたい人にこそ観てほしいラインナップ。
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『きさらぎ駅』|“電車を降りたら、そこは異界だった”

「都市伝説は、誰かの妄想であってほしかった――」
▷ ストーリー概要
大学で民俗学を専攻する堤春奈(恒松祐里)は、卒業論文のテーマを探していた。
選んだ題材は、2000年代のネット掲示板に突如書き込まれた不気味な投稿。
そこに描かれていたのは、“存在しないはずの駅に降り立った”女性の話。そう、いまや都市伝説として語られる《きさらぎ駅》だった。
調査を進める中で春奈は、その投稿者「はすみ」と目される女性・葉山純子(佐藤江梨子)の存在を知る。
数ヶ月にわたりメールでやり取りを重ねたのち、ついに直接会うことに。
待ち合わせ場所として指定されたのは、きさらぎ駅の舞台とされる路線沿いにある一軒家だった。
そこに現れた純子は、美しくもどこか影を引きずるような、不思議な女性。
「あなたは“はすみ”なんですね?」という春奈の問いに、純子は笑みを浮かべて静かに頷く。
そして語られるのは、現実離れした、けれど本人は真剣に信じている奇妙な体験談。
誰もが噂だけでしか知らなかった《きさらぎ駅》の真相が、ついに明かされ始める――。
だがそれは、聞いた者の運命すら狂わせる“語ってはいけない物語”だった。
▷ 映画としての見どころ
- 実在するネット都市伝説の実写化という試み
映画『きさらぎ駅』は、2004年に2ちゃんねるへ投稿された「実話」とされる怪談スレッドをもとに制作された作品です。
だからこそ、フィクションでありながらも、どこか“本当に起きた話”のようなリアリティが漂います。 - 「信じる者が引き寄せられる世界」への没入感
主人公の春奈が、あくまで学術的な興味で近づいていく構図が秀逸。
現代人の“距離を置いた好奇心”が、気づかぬうちに呑み込まれていく恐怖に直結します。 - ホラーというより「都市怪談の再体験」
驚かす演出よりも、「じわじわと現実の枠が壊れていく違和感」に重点を置いており、
ネット怪談好きやオカルトファンには刺さること間違いなし。
▷ 感想&おすすめポイント
『きさらぎ駅』が他のホラー映画と一線を画すのは、“恐怖の根源”が何であるか明かされないまま話が進むことにあります。
幽霊も怪物も出ない。
けれど、画面越しに漂う「ここではないどこかへ来てしまった」感覚は、どんな幽霊よりも怖い。
それは、自分の知る世界が、実はもっと大きくて得体の知れないものと繋がっていたのかもしれない――という恐れに変わっていきます。
そしてラスト。
春奈が純子から得たヒントを頼りに、きさらぎ駅の舞台となった遠州鉄道のとある駅へ向かった瞬間から、観客の緊張感は最高潮に。
「人は、信じることで世界を変えてしまうのかもしれない」
そんなテーマすら見えてくる、非常に知的でゾクゾクする都市伝説ホラーです。

『リゾートバイト』|リゾート地の非日常は、恐怖の入り口だった。

「楽しいはずの夏バイト。けれどその旅館には、“何か”がいた――」
▷ ストーリー概要
大学生の内田桜(伊原六花)は、人と距離をうまく縮められずにいる、ちょっと内気な女の子。
そんな桜に気分転換を勧めたのは、幼馴染の真中聡(藤原大祐)と華村希美(秋田汐梨)。
彼らは夏休みを利用して、リゾート気分も味わえる“離島の旅館でのバイト”を計画していたのです。
海あり、自然あり、そして友人たちとの気軽な共同生活。
最初は不安だった桜も、穏やかな島の空気と気の置けない仲間たちに癒され、少しずつ笑顔を取り戻していきます。
…しかしその旅館には、誰にも話せない“秘密”がありました。
ある夜、桜は女将・真樹子(佐伯日菜子)が深夜に食事を運ぶ姿を目撃します。
誰のために? なぜこっそり?その日を境に、桜の中に言葉にならない不安が広がっていった。
そして数日後。旅館のフリーター・岩崎(松浦祐也)が、軽いノリで“肝試し”を提案する。
だがそれは、ただの遊びでは終わらない「何か」を起こしてしまうきっかけだったのです――。
▷ 映画としての見どころ
- 「青春」と「怪談」の絶妙な交差
若者たちの等身大の夏がベースにあるからこそ、恐怖のギャップが際立ちます。
最初の無防備さが、逆に“何も知らなかったこと”の恐ろしさを浮き彫りに。 - 舞台設定のリアルさ
舞台となる旅館や島の描写がリアルで、どこか懐かしさもあり。
だからこそ、“日常”の裏に潜む異常がじわじわと怖い。 - 恐怖演出が「静か」であることの怖さ
血や音で驚かせるのではなく、“何か変だ”という違和感を積み上げていくタイプのホラー。
鳥肌モノの「深夜の配膳シーン」や、「誰かに見られているような感覚」は必見です。
▷ 感想&おすすめポイント
『リゾートバイト』は、いわゆる“夏の青春ホラー”の枠にありながら、その深みが印象に残る一作です。
一見、ありがちな「若者が知らずに怪異に巻き込まれる話」かと思いきや、徐々に“この旅館そのものが何かおかしい”と気づかせていく構成はかなり巧妙。
中でも女将・真樹子の存在感は、全編通して不穏さを際立たせています。
無表情、無言、でも何かを知っている――。人間であるのに、何か別のものに見えてくる感覚。
また、桜が少しずつ心を開いていく過程が丁寧に描かれている分、後半に起きる恐怖とのギャップが強烈。
「日常を取り戻したと思ったのに、実はすべて罠だった」――そんな絶望感すら漂います。
「一歩、踏み込んだ場所には、戻れない何かがいる」
そう思わせるような、不穏で静かなホラーが好きな方には間違いなく刺さる作品です。
『ヒッチハイク』|“助けられたはずが、地獄の始まりだった”

「ヒッチハイクで拾ってくれたのが、優しい人とは限らない」
そんな想像が現実になったら――それは、想像以上に悪夢でした。
▷ ストーリー概要
山奥で道に迷った大学生の涼子と茜。
怪我と疲労で身動きが取れず、迎えも来られず、最後の頼みで“ヒッチハイク”を決意します。
そして止まってくれたのは、まるで昔のアメリカ西部劇から出てきたようなカウボーイ姿の男、ジョージ。
彼の運転するキャンピングカーには“家族”も乗っており、一見すると旅慣れた親切なグループに見えました。
しかし、車が山奥のさらに奥――地図にも載らないような異空間に入り込んだとき、
ふたりは気づきます。
「この車に乗ったのは、間違いだった」と。
一方、別ルートで同じ山に入った男子大学生コンビ・健と和也もまた、運命の糸に巻き込まれていく。
異次元に隔離されたような山の中で、彼らを待っていたのは“常識が通じない惨劇の一夜”だった――。
▷ 映画としての見どころ
- 「親切に見える他人」への恐怖を描いた設定
怖いのは幽霊だけじゃない。むしろ、“人間の異常性”こそがこの映画の最大の恐怖です。 - カウボーイと家族の不気味さが秀逸
言葉は通じても“価値観”が通じない。笑顔の裏にある不穏さ、空気感の狂気がリアルすぎて震えます。 - 一晩で世界が崩れていくスピード感
閉ざされた空間・助けのない山奥・逃げ場ゼロという三重苦の中で、登場人物の心理がじわじわと壊れていく展開は息が詰まるほど。
▷ 感想&おすすめポイント
この映画が怖いのは、「自分もこんな状況になったらどうする…?」と無意識に考えてしまうリアリティにあります。
“人の善意”を信じた瞬間に、地獄が始まる。しかも、その地獄はどこか異次元と繋がっているような隔絶された空間。
ジョージたちの家族は、ただ奇妙というよりも、「この世の常識とは違うルール」で動いている存在に見えるんです。
特に印象的だったのは、彼らが“悪意がないように見える”こと。
むしろ、あくまで親切心で迎え入れているようなフリをし続けるところが、逆に背筋を凍らせます。
「乗った瞬間、もう逃げられなかった」
その絶望感がリアルで、観終わった後も尾を引く作品です。
おわりに|「掲示板から映画へ」が生んだリアルホラーの新境地
ネットの書き込みという、誰でも投稿できる“現代の怪談”が、
こうして映画になり、また別のリアルを私たちに突きつけてきます。
今回ご紹介した3作品は、Prime Videoで気軽に観られるものばかりですが、
その中には「日常と地続きの恐怖」がたっぷり詰まっています。
「ただの都市伝説」で済ませたくない方は、ぜひ一度観てみてください。
きっと、身近な風景が少し違って見えるはずです…。
※実際の2ちゃんねるの投稿と違う部分があるので、YouTubeで実際の投稿を見るのもおすすめです!
prime video見るならこちらから

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